レビュー

悩みのほとんどは人間関係。そういわれるほどに、多くの人が人間関係に悩まされている。

この悩みから逃れる方法はないのではないかと感じている人に、本書は痛快な解決策を提示する。それは、人間関係を「コスパ」で考えることだ。
「コスパ」というと、まるで損得勘定だけで人間関係を考えているようで、ドライすぎるように聞こえるかもしれない。しかし、本書を読み通すと、それは自分を幸せにするために不可欠な考え方なのだと理解できる。
本書の考える「コスパ」の良い人間関係とは、何も金勘定で人付き合いを考えようというのではない。自分が負担を感じずに安心して付き合える相手とよい関係を築き、付き合うことが「コスト」に感じられるような人間関係からは距離を置こうという呼びかけだ。たとえば、自分の時間や能力を搾取しようとしてくる人と付き合い続けるのは「コスト」でしかない。そんな人間関係をいつまでも続け、時間や心身の健康を失うのは「コスパ」が悪すぎる。うまくいかない関係は潔く割り切ってしまい、自分が本当に大切にしたい関係性に「コスト」をかけていく。そうすることで、「損得」を超えて、お互いに「得得」な関係に身を置くことができる。
こんなふうにコスパの良い人間関係の中にだけ身を置くことができたら、どんなに毎日が幸せになることだろう。それを実現するために、本書は人間関係の「スキル」を実践的な観点から教えてくれる。
人間関係に悩み過ぎて身動きが取れなくなっている人は、本書を読み通すことで肩の荷が軽くなるのを感じられることだろう。

本書の要点

・多くの人は、人間関係に「し過ぎ」と「我慢」を重ねている。「コスパ」の悪い人間関係と適度な距離を取れば、今よりもずっと楽に生きられるはずだ。
・人間関係の悩みが尽きない本当の理由は、「自分で自分に課している、しなくてもいい我慢の連続」だ。自分の人生を大切にできるかを基準に、よりよい人間関係の中に身を置くことを目指していこう。
・「困った人」に出会うのは避けられない。本人は自分が「相手を困らせている」という自覚がないことが多いため、出会ったときにどう対応するか、その対策を決めておくことが重要だ。



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