レビュー
「どうして自分のアイデアは、こんなにも平凡なんだろう」
本書は、そんな悩みを抱えた人に刺さる一冊だ。一生懸命考えてもユニークな発想が出てこないのは、頭の回転が遅いからでも、才能やセンスがないからでもない。
本書で紹介されるのは、良いアイデアを生むためのインプット習慣と、誰でも再現可能な「視点のずらし方」のテクニックだ。日常的にインプットを蓄積した上で、極端に振り切る、要素を分解する、連想する、既存の構造をマネする、他人のアイデアに便乗する、異質なものを掛け合わせる、偉人になりきる――この7つのテクニックを使えば、道ばたの石ころでさえ売るアイデアが生まれるという。
著者の野呂エイシロウ氏は、『ザ!鉄腕!DASH!!』や『奇跡体験!アンビリバボー』など、数々の人気番組に携わってきた放送作家であり、戦略的PRコンサルタントとしても活躍している。常に“面白さ”と“成果”を求められる現場で磨かれた発想術には、誰もが感嘆するはずだ。
新商品企画、広報、広告、企画書づくりなど、アイデアが求められる仕事に携わる人はもちろん、会議で気の利いた意見を言えるようになりたい人にも、本書はおすすめだ。ユニークな発想は、センスではなく視点によって生むことができるのだと気づかせてくれる。
まずはいったん立ち止まり、「自分なら道ばたの石ころをどうやって売るだろう?」と考えてから、本書を読み進めてみてほしい。
本書の要点
・真剣に考えても平凡な意見しか出てこないのは、才能ではなく「視点」の問題だ。視点を変えさえすれば、誰でもユニークな発想ができるようになる。
・ユニークな発想には、多様な情報を日常的にインプットする習慣が欠かせない。
・「極端振り切り視点」「分解ずらし視点」「連想ゲーム視点」「構造のコピー視点」「便乗視点」「クロス視点」「偉人視点」は、視点を即座に切り替えることができ、アイデアも生まれやすくなるテクニックだ。
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