レビュー
英語学習者や英語の指導者にとって、生成AIは無視できない存在になった。登場してからほんの数年で、英語学習のあり方はまったく変えられてしまったといっていい。
本書は、生成AIを英語学習の「パートナー」として最大限に活かすための方法を、体系的に解説している。「メタ認知」「メタ言語」「プロンプトエンジニアリング」の3つのスキルを中核に据え、それぞれの役割を丁寧に整理しながら、具体的な活用例を豊富に提示している点が特徴的だ。特に、ChatGPTにどのようなプロンプトを入力すれば、自分に合った教材が得られるかについて、具体例が数多く紹介されている。これらを参考にすれば、自分のレベルや目的に合ったオリジナルの英語教材を、無限に、無料で生成することが可能になる。最適な教材を自分で作成できれば、学習効率は飛躍的に向上し、目標が明確になることでモチベーションも自然に高まることだろう。
本書は英語学習者だけでなく、教育関係者やAIに興味を持つ読者にも学びの多い一冊だ。AI時代に、どうしたら学習者の自律的な学びが実現できるかを模索する人に一読をおすすめしたい。
本書の要点
・英語学習における生成AIの活用には、「メタ認知」「メタ言語」「プロンプトエンジニアリング」の3つのスキルが重要だ。これらを統合することで学習者自身が自律的に学びを進めることができる。
・学習したい内容に合わせた「メタ言語」を用いてプロンプトを工夫することで、自分の目的やレベルに合わせた英語の練習問題や語彙リストを生成することができる。
・ChatGPTの音声会話機能を使って実際の場面に近いロールプレイ形式のスピーキング練習を行ったり、自作の英文に対して文法や語法の誤りを指摘してもらったりすることで、英語のアウトプット力を効果的に磨くことができる。
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