レビュー

「頼まれたらイヤとは言えない」「つい相手の都合や希望に合わせてしまう」……本書は、そんな人にぜひ読んでほしい一冊だ。
特に仕事では、自分にとって負担が大きいタスクを頼まれても、無理して引き受けてしまう人は多いだろう。

もちろん、自分が望んで引き受けるのであれば問題はない。ところが、自分の仕事で手一杯で時間がないにもかかわらず、心身を消耗させてまで引き受けてしまうのはどうだろうか。
そんな人に「人間関係に線を引く」ことをすすめるのが、本書の著者・藤野智哉氏である。
藤野氏はSNSの総フォロワー数が13万人(2025年4月時点)を超える精神科医で、精神科の知識をわかりやすく解説することで定評があり、多数の著書を持つ。
「人間関係に線を引く」と聞くと、「冷たい」「自己中心的ではないか」と感じる人もいるかもしれない。しかし、相手との間に適度な距離を保つことは、自分だけでなく相手を尊重する行為でもあり、結果として良好な人間関係の維持に寄与すると著者は断言する。
断るのが苦手な人や「自分さえ我慢すれば丸く収まる」と思ってしまいがちな人に、本書をぜひ手に取ってほしい。きっと自分にとって心地いい人間関係のあり方が見えてくるだろう。

本書の要点

・人間関係に線を引くことは、自分を守り、尊重することであると同時に、相手を尊重することにもなる。お互いが引いた線を尊重することで、適度な距離感のある人間関係を築けるようになり、人生はよりラクになる。
・人間関係において「誰に」「どこまで」OKとするかの基準は、人それぞれ異なる。「どこに線を引くか」を判断するためには、自分自身をよく理解しておく必要がある。


・あなたにあなたの領域があるように、相手にもまた相手の領域が存在する。「よかれ」と思って動いたことが、結果的に相手の領域を越えてしまう可能性もある。



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