レビュー
ビジネスシーンで頻繁に使われるようになった「フィードバック」という言葉。上司から部下へ、製品やサービスについて取引先へ。
しかし、そもそもフィードバックとは何なのか? そして、“良いフィードバック”とは、どのようなものなのだろうか?
本書では、フィードバックを「相手へのギフト」と位置づけている。適切なフィードバックは相手の成長を促し、課題を乗り越えるための勇気づけになる。そして、新たな視点の獲得にもつながる。つまり、「相手のための声がけ」とも言える。
難しいのは、ネガティブなフィードバックを伝える場面だ。注意しても同じミスを繰り返す部下に、どう伝えれば理解してもらい、改善を促せるのだろうか。また最近は、年上の部下を持つマネジャーも増えている。相手のプライドを傷つけずに伝える方法にも工夫が必要だ。
さらに、フィードバックは「上司から部下」だけに限らない。部下が上司に対して意見や思いを伝えることも、大切なフィードバックのひとつである。
著者は、日本アンガーマネジメント協会の代表理事であり、アサーティブ・コミュニケーションやアドラー心理学にも精通した戸田久実氏。
本書の要点
・フィードバックとは「相手へのギフト」である。フィードバックは相手の成長を促進し、新たな視点を提供する効果を与える。
・フィードバックをする際は「主役は相手」「相手と対等に向き合う」「素直に伝える」「自分の考えを俯瞰する」「自らもフィードバックのよき受け手になる」の5つを心に留めておこう。
・フィードバックのポイントは「禁止形ではなくリクエストとして伝える」「事実と主観を切り分けて伝える」「結果だけでなくプロセスにも目を向ける」「ほかの人と比較しない」などがある。
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