レビュー

VTuberという存在をまったく知らないという人は、最近ではほとんどいなくなったはずだ。多様化し定義が難しいものの、VTuberとはおおむねアバターを使ってYouTubeをはじめとしたプラットフォームで活動する人のことを指す。

誕生当初はYouTuberの活動をそのまま3Dアバターに置き換えて行うものが主流であったが、後にLive2Dというイラストを動かすソフトなどのさまざまな環境が整備されたことで、格段に間口が広がった。2023年時点では800億円という巨大な市場を形成するに至っており、日常生活の中でも目にする機会が多くなってきている。
これはVTuberの世界が過酷なレッドオーシャンとなっていることも意味している。大手事務所が力を持つようになり、総数は少なく見積もっても数万人。たくさんのVTuberが、多数の成功事例と失敗事例を生み出してきた。そしてそれらを分析すれば、成功するメソッドも得られるだろう。著者である河崎翆氏は現役のVTuberであり、自身がゼロからVTuberとして成功した経験を活かしてコンサルタントとして活動する。本書はその厚い知見から得られたメソッドをわかりやすくまとめたものだ。
通常、こうした人気商売は、運良く生まれたヒットを育てていくようなかたちになることが多い。しかしYouTubeは再現性の高さがあるプラットフォームであることを著者は強調する。多数の競合がいる中で抜きん出ていく方法論とマインドは、VTuberの分野を飛び越えて、レッドオーシャンで戦う多くのビジネスにも応用できるだろう。

本書の要点

・VTuberとして成功するには、他と差別化できる明確な強みが必要だ。

ただし既存のスキルや経歴がなくとも、目指す理想像とそこに向かう過程をコンテンツ化することで個性を作ることもできる。活動開始前に方向性を定め、一貫したブランディングを行うことが重要だ。
・YouTubeでは、インプレッションを獲得するためにクリック率や視聴維持率が重視される。配信は双方向性、動画は構成力、Shortsは普遍性とテンポのよさがポイントになる。形式ごとに異なる特性を理解し、目的に応じた活用で成長を狙おう。



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