レビュー

「仕事に集中できない」「ネガティブな気持ちを引きずってしまう」「人間関係がうまくいかない」――本書は、そうした日常の悩みを科学的アプローチによってあっという間に解決してくれる。
本書の重要な主張のひとつは、あらゆる物事の成否を握るのは「習慣化」であるという点だ。

プロローグで「習慣化に意志力はいらない」として習慣化の3つの原理を示したうえで、仕事の効率化、勉強、健康、コミュニケーション、メンタル、生活の6章に分け、日常の悩みを解決する112の習慣を紹介している。
著者の堀田秀吾氏は、明治大学法学部教授であり、司法分野のコミュニケーション研究をはじめ、心理言語学や脳科学などを横断的に探究してきた言語学者だ。国内外で研究と教育を行い、『図解ストレス解消大全』などベストセラーも多い。
本書の最大の魅力は、心理学や脳科学の知見をわかりやすく紹介しつつ、それらに基づいた習慣を提示している点である。時計の針の速さが作業効率を変える実験や、ポジティブな記憶を朝に思い出す効果、「感謝日記」が幸福度を高める事例などを裏づけにした、思わず試したくなる習慣が並ぶ。
小さな工夫で毎日は変わる。大きなコストはかけず、気軽に日々の暮らしをアップデートしたい人にとって、本書は必読の一冊だといえるだろう。

本書の要点

・ある作業に対する集中力を持続させたいなら、ときどき別の作業を挟むのが効果的である。
・お菓子は集団の創造的パフォーマンスを高めることがわかっている。会議などでアイデアを出したいときに、適度に取り入れるとよい。
・起床直後はストレスホルモンの値が1日でもっとも高くなる。朝のストレスを軽減したいなら、楽しい記憶を思い出すのが有効だ。



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