レビュー

会社に勤めていると、部署や役職などを与えられることが当たり前になりすぎていて、会社の肩書がない状態で生きていくイメージをしづらい。しかし、終身雇用の前提が崩れた今、「肩書のない自分」を想像してみないわけにもいかない。

では、どうしたら肩書がなくなっても「あなたにお願いしたい」と言われる人になれるのか。
本書『肩書がなくても選ばれる人になる』は、会社という枠だけに頼らずに、自分の力で選ばれ続けるための45のヒントを紹介する。やりたいことに楽しそうに取り組むこと、スキルを「使える力」として身につけること、人として信頼されることが何より大切であることなど、働くうえで意識しておきたい姿勢が具体的に提示される。また、突然の職場の閉鎖でキャリアダウンしてしまった人と、キャリアアップを実現した人との違いなど、生々しくも参考になるエピソードも満載だ。
本書を読むと、「肩書がなくても選ばれる人になる」ための努力は、肩書があるうちからやっておかなければならないことがよくわかる。いざ肩書がなくなってから「選ばれる」ために動き出すのでは遅すぎる。今、肩書があるのであれば、それを最大限活かして、自分を高めていかなければならないのだ。そうして仕事に向き合っていれば、おのずと今所属している組織での評価も上がっていくはずだ。今すぐに転職や独立を考えているというわけではない人にこそ、本書をおすすめしたい。

本書の要点

・“やりたいことを楽しみ、ワクワク感を武器にする”ことが、肩書がなくても自然と選ばれる第一歩である。
・スキルは資格だけでなく「使える力」として更新し続ける必要がある。プロフェッショナルを育てるのは、インプットとアウトプットの循環だ。


・信頼関係は、目の前の人に丁寧に接することや、感謝や尊敬の念を都度伝えることによって築かれる。そして得た縁が、会社を離れても人を引きつける力となる。



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