レビュー

「頑張っているのにうまくいかない」「自分の人生、このままでいいのだろうか」……誰しもこのように立ち止まる瞬間があるだろう。何が正解かわからない時代に、自分らしく幸せに生きる方法を探している人は多いはずだ。

本書は、そんなモヤモヤにハッとするアドバイスを与えてくれる。
著者の橘玲氏は、国際金融小説『マネーロンダリング』でデビュー後、『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』がベストセラーとなり、2017年には『言ってはいけない』で新書大賞を受賞。深い知識と鋭い分析をわかりやすく表現することで人気を集める作家である。
本書は、そんな橘氏にインタビューした内容をもとに、ライターの樺山美夏氏がまとめたものだ。樺山氏には息子がおり、将来のことを考えてほしいと橘氏の著書を渡したが、数ページしか読んでくれなかった。その経験から「普段あまり読書をしない若者でも読める本を」と企画されたという。
狙いどおり、本書は誰でもすらすらと読める構成になっている。若者の救済を目的としたアプリ「ゴーリオ爺さん」に対し、26人の若者が悩みを吐露し、アプリがアドバイスするという仕立てだ。「仕事のやりがいはあるけど忙しすぎる」「何でも話せる友だちがいなくて寂しい」といったリアルな悩みばかりで、きっとあなたにも共感できる相談者がいるだろう。
今の働き方や人間関係にモヤモヤしている人、将来に向けてアクションを起こしたい人におすすめしたい。

本書の要点

・お金持ちになる方法は「働いて稼ぐ」「倹約する」「運用する」の3つしかない。
・20代は、実績を積んで「人的資本」を大きく育てる時期である。

好きな仕事で個人としての成果を重ね、信頼と評判を高めていこう。
・将来の資産形成は30代からでも十分間に合う。20代で最も優先すべきは、多様な経験と人との出会いだ。
・大人になるにつれ、学生時代の友人と疎遠になるのは自然なことだ。気の合う友人がほしいなら、自分の属性や興味・関心を積極的に発信してみよう。



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