レビュー

人生100年時代。働き方を見直したいけれど、自分が何をしたいのか分からない。

大きな不満はないけれど、満足もしていない。そんな方も多いのではないだろうか。
働き方に悩むビジネスパーソンに本書は問いかける。なぜ、いつまで働くのか、どんなときに満足を感じるのか。正解はなく、きっと一人ひとり答えは違うはずだ。
本書のベースにあるのは、1976年に米国のダグラス・T・ホール教授が提唱したプロティアン・キャリア理論である。この根底には、個人が自律的にキャリアを開発し、環境の変化に合わせ、成長志向を持ちながら変幻自在に生きていく思想がある。何歳からでも生き方は変えられる、人生に無駄なことは一つもなく、プロセスすべてがキャリアだ。そんなメッセージに深く共感し、プロティアン・キャリア協会の設立に携わった有山徹氏が本書の著者である。
年齢や経歴などを理由に、キャリアを諦めたくなっている人にこそ、手に取ってほしい。本書は、どんな過去もあなたの価値になることを伝え、自分の人生を自分で舵取りしながら、変化の激しい時代をポジティブに生きていくための、熱く優しいメッセージにあふれている。
キャリア形成やスキルアップのための画一的なアドバイスが書かれているわけではない。
「あなたは一体何者なのか」という、「自分」についてとことん深掘りするヒントが詰まっている。忙しい毎日の中、本書とともに、一度立ち止まって自分を見つめ直す時間を設けてみるのはどうだろうか。

本書の要点

・後悔ない人生を歩むには、「言語化」「価値化」「行動」の3つのポイントで解像度を高める。その際、結果を求めすぎず、プロセスを大事にすることが重要である。
・自分自身を言語化することは、自己理解への強力な一歩となる。大事なのは自己開示をすること、ジョハリの窓でいう「開放の窓」を大きくすることだ。自己開示が、思わぬ人や仕事、自分に出会わせてくれる。
・「誰と働くか」の関係性の中で価値を見出し、比べるのではなく、並べるように考えることが価値化の手助けとなる。また、関係性を横にずらすと、意外なところで自分が活きることがある。



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