レビュー

新NISAの開始、iDeCoの盛んな宣伝もあり、「お金に働いてもらう」投資について学びたいと考える人は、以前よりもかなり多くなっている。しかし、思うようにお金が増えていかないばかりか、むしろ目減りしているように見えることもあり、慌てふためいてしまう人もいるだろう。

そんな状態で投資を続けるくらいなら、おとなしく預貯金にまわしたほうが精神衛生にいいかもしれない……。
そうした初心者投資家にこそ、「世界一の投資家」「オマハの賢人」と呼ばれるウォーレン・バフェットのことを知ってほしい、と著者は提案する。バフェットは11歳で投資人生を歩み出してから、大きな負けを経験せずに、その名声と富を得てきたという。そのバフェットが語る言葉は、投資家への教訓になるだけでなく、アマゾンやグーグルの創業者たちを支えるもの、若い学生たちの人生の指針にもなっている。「正しいマネーセンス」に加えて、「『どう生きるべきか』という太い柱」を育てていくための糧となるのだ。
少数の優良企業の株を長期間持ちつづけることがバフェットの投資の特徴といわれる。けっして派手さはない。その堅実な態度はいかにしてつくられたのか。それが、なぜ莫大な資産を生むに至ったのか。とにかくお金を増やしたいという人も、不安に感じない程度の人生資金があればいいと考える人も、そのバフェットの姿勢から得られるものは大きいだろう。

本書の要点

・小さいころからお金持ちを目指していたのは、自立したかったからであり、お金が目的なのではなく、「最終的には『社会に返す』」のがその生き方である。
・「決めたルールに関してはとことん守り抜く」。

そして、価格ではなく価値にこだわることで、世界一の投資家となった。
・「長期でものを見る」だけでなく、「事業の一部を所有する」姿勢で投資している。
・「稼いだ額の大きさで自分の人生を測る」ようなことはせず、愛こそが成功を測るものだと考えていた。



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