レビュー

気づけば世には「伝え方」本があふれている。周囲と調和しつつ自分の意見を伝えたい、評価されるプレゼンをしたい、「いいね」がほしい、相手を傷つけずに言いにくいことを言いたい……。

仕事や学校、家庭、そしてSNSでの発信の仕方にこれほど悩む人が多いということか。かえりみれば、やはり仕事のチャットの一言一句に気を遣い、逆に家庭では感情の先走りに頭を抱える自分がいる。そして少しずつ自分らしさを摩耗する自分に。
数ある「伝え方」本のなかで、本書は少し異質かもしれない。著者は「家」に関する著作が多く、noteやインスタグラム、Voicyで女性を中心に人気を集めるフリーランス歴20年以上のエッセイスト。本書には明日のプレゼンに勝つフレーズは載っていないが、自分らしくありながら自分も相手も幸せにする言葉の「考え方」が載っている。それはSNSを含む、どんなコミュニケーションであろうと変わらない根源的なものだ。要約にも書いた「感覚と理論」の話では、人生を左右する「言葉」の力を実感させる比喩に、思わず膝を打った。
誰もが発信しやすく多様性が重んじられる現代は、「言葉」に関するモヤモヤが生じやすい。本書は幅広い読者に「言葉」の本質をわかりやすく伝え、言語化しにくい悩みにそっとヒントを与えてくれる。
「夫」の小池高弘氏によるイラストが優しく寄り添い、温かみある著者家族の情景が浮かんでくるのも、ハウツー本ではない本書ならではの魅力だ。

本書の要点

・決断の決め手となる「感覚」は、漠然としたままにせず言語化して、「理論」に昇華させることが重要だ。

それが人生の岐路に立ったときの「お守り」となる。
・人をほめるときは「その人が認められるとうれしいこと」をほめるといい。そのためにも、日ごろから相手をよく観察することが大切だ。
・SNSでの投稿は「タグ付け」によってシェアすることで、さらなる広がりをつくることができる。
・相手にしてほしいことは、言葉で伝えることが大切だ。有料コンテンツの宣伝には勇気がいるが、よいものだと心から思えるなら、宣伝を過度に恐れる必要はない。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

編集部おすすめ