レビュー

宇宙とカブトムシ。雑草と老舗企業。

これだけ聞くと、「いきなり何の話?」と思うかもしれない。しかし、この突飛な組み合わせの妙こそが、本書の醍醐味である。
本書では、普通ならまず出会うことのないテーマや専門家たちが対談する。編者の入山章栄氏がパーソナリティを務めるラジオ番組「浜松町イノベーションカルチャーカフェ」では、異なる分野の第一人者たちを招き、互いの知見を掛け合わせている。一見かけ離れた組み合わせでも、そこから共通する本質や新しい視点が導き出されていく。これは、入山氏の幅広い分野に張り巡らされたアンテナと類まれなるファシリテーション力によるものであることが、対談の端々から伝わってくる。読めばきっと、他分野の知にふれることの重要性を実感するだろう。
何より、本書は「読みもの」としても面白い。たとえば、身近な雑草にまつわる驚くべき知識が次々と飛び出すほか、カブトムシ、動物学、発酵、ウェルビーイング、AIなど実に多彩なテーマが登場する。専門家たちの語りには、人生や仕事、事業に活かせる示唆が満ちている。目次を眺めるだけで、未知への探求心が刺激されるはずだ。専門家同士の対話は、まるで映画『アベンジャーズ』のようなワクワク感がある。
ビジネスのことはあまりよくわからないという方でも好奇心をかきたてられること請け合いだ。

本書の要点

・カブトムシは有機廃棄物を食料とし、それ自身が優れたタンパク質になる。宇宙の分野では有機物の再利用についての積極的な議論はこれからであるため、カブトムシの技術が活かせるかもしれない。
・雑草は環境の変化にうまく適応することによって勢力を一気に拡大できる。一方、変わらないと思われがちだが、変化に敏感なのが老舗企業だ。
・人の様々なライフスタイルに応じた働き方がウェルビーイングにつながる。生産性が課題となったビジネスの現場では「会社のUX」、つまり働き方の体験の変革がカギとなる。



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