レビュー

近年では、誰もが知っているとは言えないようなアニメキャラクターやVTuberなどと企業がコラボをするキャンペーンを目にする機会が多い。テレビや新聞といったマスメディアが中心になっていた時代には、世間の人々は一斉に同じ情報を享受して、興味関心を共有していた。

しかし現代は、大量の情報が溢れかえり、SNSによって情報源が細分化されている。ある一定の「ファンダム」と呼ばれる人たちには熱烈に支持されているが、それ以外の人にはまったく知られていないようなIP(キャラクターなどの知的財産)が大量に存在している。
本書で紹介されているのは、企業がそういったIPとタイアップすることで、「刺さる人に刺さる」ような形でマーケティングを行い、それを拡散させていく手法である。ファンダムは「推し」に関わるものにお金と時間を費やすだけでなく、みずから他者に推奨して拡げてくれる。上手くタイアップできればブランドの価値を高められるが、IPへの理解やリスペクトが不足していると逆効果になる場合もあり、炎上するリスクもある。
現代のメディア環境で効果的なマーケティング手法であっても、アイドルやバンド、アニメなど、無数に存在するIPの事情に詳しくなければ、どのように着手すればよいか見当もつかないかもしれない。
本書は、ターゲットとIPの選定、コンテンツ設計、情報の拡散といったステップごとに、具体的な例も挙げながら詳しく解説している。すぐにでも実践可能なほど、役立つに違いない。

本書の要点

・ファンダムマーケティングとは、「推し」を熱狂的に支援する「ファンダム」の力を活用して、エンターテインメントにゆかりのない企業、ブランド、商品をプロモーションする手法である。
・成功のためには、ファンダムを単なる消費者として扱ってはいけない。IPやファンと共に世の中を動かしていく同志として、リスペクトの気持ちを持って接し、ファンダムから感謝されるようなコンテンツを作ろう。
・誰もが知っていてファンの熱量も高いIPよりも、今はまだあまり知られていないがファンの熱量が高い、ネクストブレイクであるIPが、ファンダムマーケティングのタイアップ先としてオススメだ。



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