レビュー

「トレーニング後、達成感に浸ってぼんやりと一日を終える」「トレーニングを休むことに罪悪感があるので、とにかく毎日、寝る直前まで追い込む」――そう考えている限り、真の成長は訪れない。本書は、トレーニング後の休息を「攻めの行動」として捉え直す、新しい視点を提示する一冊である。


著者の岡田隆氏は、ボディビル世界王者であり、日本体育大学教授としてスポーツ科学を探究する研究者だ。科学者としてデータを扱いながら、自らの肉体で実験を重ねてきた。また、YouTube「新・バズーカ岡田チャンネル」をはじめとするSNSの総フォロワーは約50万人で、理論をわかりやすく伝える手腕に定評がある。
本書の主張は明快だ。筋肉は「鍛える」ことで壊れ、「休む」ことで成長する。回復というフェーズを軽視すれば、努力が逆効果になりかねない――。
岡田氏は、最新の科学的知見と現場での経験を融合し、睡眠・栄養・ストレス管理・入浴など、あらゆる角度からリカバリーを体系化している。どれも実践しやすく、読後すぐに実践したくなるリアリティがある。
本書は、筋トレの成果を最大化したいと願う人にぜひ読んでほしい。本当に成長を続けるために必要なのは、がむしゃらに頑張ることではなく、休息も含めて日々をデザインすることなのだ。読むほどに、休息もまた努力の一部であると理解できるだろう。

本書の要点

・筋肉の成長を左右するのは「どれだけ鍛えたか」だけでなく「どれだけ適切に回復させたか」である。

疲労と正面から向き合い、回復の質を高めた者こそが、長く強くあり続けられる。
・真のリカバリーを実現するためには、運動・栄養・休養(睡眠)をワンサイクルとして捉える視点が欠かせない。
・睡眠改善においては、まずは1日あたり10分、睡眠時間を増やすことから始めよう。毎月10分ずつ増やしていけば、1年後には2時間の増加となる。これは、わずか1年で一生の健康と生産性を得られる、非常に効率のよい投資だ。



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