レビュー

子どもの頃、夏休みの宿題はいつはじめていただろうか。「夏休みの終わりになって慌てて」という人もいれば、「もらったらすぐやる」という人もいるだろう。

前者は「先延ばし(procrastination)」、後者は「前倒し(precrastination)」という心理学の概念を反映している。どちらが望ましいかと聞かれれば、「前倒し」と答える人が多いだろう。ビジネスの現場でも、「仕事が早い」人のほうが評価されやすいイメージがある。
ところが、本書は「先延ばし」と「前倒し」は、単に「望ましい——望ましくない」という直線上で捉えられる概念ではないと指摘する。その根拠の1つが、タイトルにもある「締め切りより早く提出されたレポートはつまらない」ことだ。堅実で計画的に思える「前倒し」は、度が過ぎればクオリティの低下につながる。目の前のタスクを何も考えずに処理していれば、二度手間を生んだり、他の仕事を増やしたりする結果になることもあるだろう。
本書が提案するのは、「先延ばし派」と「前倒し派」の人がいることを認めたうえで、それぞれが見ている世界の違いに思いを馳せ、協働する方法だ。双方ともに、過剰な「先延ばし」「前倒し」はしないように対策をしたうえで、互いの違いを活かしながら、チームとして成果を目指す。それが実現できれば、多くの人が自分なりの方法で、より円滑なタスクマネジメントを行うことができるようになるだろう。

本書の要点

・「先延ばし」と「前倒し」には、どちらにも長所と短所があり、「望ましい——望ましくない」という直線的な評価では捉えられない。
・「先延ばし派」と「前倒し派」では、見ている世界が異なるため、コミュニケーション不足だと互いに不満が募りやすい。

協働する際には相手のタスクマネジメントのやり方について事前に確認しておくと効果的だ。



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