レビュー

AI時代に記憶力なんて必要ないといわれることがある。AIの活用で必要な知識をあっという間に引き出し、自分の知識のように活用することができる。

では、記憶には何の意味があるのだろうか。
このような批判がされるときに想定されている「記憶」とは、何かを覚えておくこと、すなわち記憶の「保持」だけを指していることが多いと本書は指摘する。いくら膨大な知識がインターネット上に保持されていても、それを引き出し、出てきた情報を読み解くのは人間だ。人間の効率が悪ければ、いくら膨大な知識にアクセスできたとしてもそのポテンシャルを活かすことはできないというのが本書の主張だ。
著者である樺沢紫苑氏は「日本一アウトプットする精神科医」として知られる。YouTubeやメールマガジンで日々発信を続けるだけでなく、著作は46冊を数え、累計発行部数は240万部。そんな著者が、ネット上の情報を自分の脳内の情報のように活用できれば、仕事の学びの効率は劇的に向上するというのだから、説得力は抜群だ。「記憶力」を単に知識を暗記する力ととらえるのではなく、「保存された情報を上手に使う能力」と定義し、AI時代を見据えた記憶術を提案する。この一冊で、従来的な受験勉強や資格試験に有効な記憶術を知ることができるだけでなく、新しい時代への対応力も身につけられる。記憶術を根本的に見直したい方、学習や仕事で記憶を活かしたい方にとって、刺激的な一冊だ。

本書の要点

・記憶の定着には「インプット」よりも「アウトプット」が重要だ。書く・解く・話すといった行動を起こすことで、脳に「重要な情報」と認識させることができる。


・「理解」「整理」「記憶」「反復」の4ステップを経ることで、効率的に記憶することができる。
・ほど良い緊張は記憶力を抜群に高めてくれる。人前の発表やテストなど、「人が嫌がるようなイベント」こそ、知識と経験を広げるチャンスだ。



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