レビュー

ビジネスに関わる人であれば、「経営」は無視できない存在である。しかし、いざ学ぼうと思ったときに何から手を付ければよいのかわからないのが経営学だ。

経営学は複数の領域の集合体であり、扱う範囲は多岐にわたる。自分が必要としている知識がどの領域に位置づけられるのかを知るのも一苦労で、最初の一歩を踏み出しづらい。
本書『大学4年間の経営学が10時間でざっと学べる』は、「どこから始めればいいのか」という戸惑いを解消してくれる入門書である。組織、リーダーシップ、戦略、マーケティング、生産管理など、東京大学の4年分の講義内容を軸に、経営学の主要領域が整理され、全体像を短時間で把握できるよう工夫されている。1つのトピックが見開き2ページで完結する構成で、重要な概念を負担なくテンポよく吸収できる。忙しいビジネスパーソンでも短いスキマ時間で読み進めやすく、興味のあるテーマから気軽に読み始められる点も魅力である。必要なところだけ拾い読みしても、仕事の捉え方が少しずつ変わっていく感覚が得られるだろう。
経営学をこれから学ぼうとする学生や、スキルアップを目指す社会人に特に本書をおすすめしたい。複雑で広大に見える経営学の“地図”がこの一冊で手に入り、組織や仕事の仕組みを俯瞰する視点を身につけることができる。本書だけでも実践的な知識が得られるうえ、興味を持ったテーマからさらに学びを広げていく出発点としても優れている。経営学の入口として、軽い読み心地でありながら確かな理解につながる一冊である。

本書の要点

・リーダーシップ研究に大きな影響を与えたフィードラーの条件即応モデルによれば、普遍的に優れたリーダーシップの特性やスタイルは存在しない。

効果的なリーダーシップは、リーダーシップ状況に依存するのだ。
・多角化の成長戦略では、1つの会社が多数の事業に進出する。このメリットは、それぞれの事業が関連しあって互いを伸ばすシナジー効果が生まれることだ。
・固定費が大きい製造業では操業度を上げる圧力が働きやすい。売れないのに操業度を上げれば、不良在庫を抱えることになり、大損害につながりかねない。



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