レビュー

「人に頼る」のは果たして良いことだろうか、それとも悪いことだろうか。
経済的に考えれば、人のリソースを使って自分が助けてもらうわけだから、それは自分にとっては得だが、相手にとっては損ということになるだろう。

人を頼るのが苦手な人の根底には、「相手に損をさせて自分だけ得をするのはいかがなものか」という善良な感情があるかもしれない。
しかし、本書ではそう考えない。人は根本的に「人を助けることが好きな生き物」であり、頼られることは嬉しいものだと本書は説く。それだけでなく、人を頼って助けてもらうことは、やがてその人が自分だけでなく誰かを助けることにもつながり、コミュニティそのものを風通し良く強固なものにするというのである。
確かに人間は、助け合うために社会をつくり、互いに頼り頼られることでそれを発展させてきた。もしかすると、人に頼ることは人間社会の根底をなす重要な振る舞いなのかもしれない。
もちろん頼り方によっては、相手との関係が気まずくなることもあるかもしれない。しかし、心をオープンにして適切な頼み方をすれば、さらに仲良くなったり、よりポジティブな関係性を築いたりすることができる。
本書では、“頼ることができる人”になるためのアドバイスが、豊富に記されている。上手に人に頼ることは、習得可能なスキルである。ぜひ本書から、そのコツをつかんでいただきたい。

本書の要点

・「頼みごとをすると迷惑をかける」というのは誤解である。

人は頼られると、自分は信頼されている、必要とされていると感じ、自己肯定感が上がるものである。
・人に頼むときのコツは、相手の状況に配慮して、頼む理由をプラスすることだ。頼んだあとは、感謝の言葉と「どんなに助かったか」を具体的に伝えよう。
・信頼関係を築くために、日頃から小さな助け合いを積み重ねたい。相手に関心を持ち積極的に動いていれば、自然と頼りやすい環境ができてくる。



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