レビュー

こんにちは貯められない女、青木さやかです。いえ、貯めようと思ったことがないのかもしれません。


――本書の書き出しだ。
著者の青木さやかさんは、2003年に「どこ見てんのよ!」の決めゼリフで大ブレイクし、現在は俳優・エッセイストとしても活躍している。その華やかな経歴とは裏腹に、青木さんのマネーライフを心配したマネージャーが『日経ウーマン』に企画を持ち込んだことから、連載「青木さやかのマネー道場 貯蓄200万円の道」がスタートしたという。本書はその連載をまとめた一冊となっている。
誰でも知っているタレントさんなら「貯めようと思ったことがないのかもしれません」でも問題ないのでは……と思いながら読み進めて驚いた。口座がいくつあるか把握しておらず、家計簿はつけたことがなく、お歳暮シーズンは交際費が月に20万円にのぼる。仕事柄、収入が一定ではないこともあり、収支バランスを把握しないまま日々が過ぎていたという。それでも後輩にはご馳走し、旅行に出かけたら周囲にお土産を買う。その豪快なお金の使いっぷりは、読者としては読んでいて楽しいが、マネージャーが心配するのも無理はないだろう。
旅行先での爆買いを反省し、NISA口座へのログインに四苦八苦し、年金支給額の少なさを知って「まずいな、結婚しようかな。しかし……」と嘆く青木さんは一貫してとてもチャーミングだ。青木さんの努力の様子を見守りながら自分の暮らし方も自然と見つめ直せる、楽しい一冊である。

本書の要点

・節約においてまず取り組むべきは、家計簿アプリなどを活用して支出額を把握することだ。
・お金を「増やす」手段として、まず新NISAに挑戦しよう。新NISAは、現金が必要になればいつでも解約して引き出せる柔軟さがある。その後、ある程度の貯蓄を確保し、いざというときに困らない状態になったらiDeCoを始めるとよい。
・年金制度は変化していく。先の不安に囚われすぎず、今できることをやりながら、ニュースで最新の情報を確認し、その都度対策を見直していくのがベストだ。



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