レビュー
日本リカバリー協会の調査によると、日本の就労人口の約8割が「疲れている」と感じているという。たしかに要約者も疲れているし、これを読んでいるあなたも同じではないだろうか。
働く人の大半が疲れているというのは、冷静に考えれば異常な社会である。しかも日本には、疲労と忍耐を美徳とする空気すらある。その価値観こそが、人々の疲労感をさらに強めているのだと、著者の片野秀樹氏は指摘する。
誰もが疲れているこの社会で、「どうやって疲れを取るか」と問われれば、多くの人が「寝る」「だらだらする」と答えるに違いない。だが、肉体労働中心の時代から頭脳労働中心のサイバー社会へと移行したにもかかわらず、休養への考え方は「寝れば回復する」という古い常識のままで止まっていると片野氏は言う。「働き方」は学んでも、「休み方」は誰も教えてくれなかったのである。
そこで登場するのが、著者が提唱する「休養学」だ。本書はベストセラー『休養学』のマンガ版として、ただ体を休めるのではなく、活力を高める積極的・主体的な「攻めの休養」の実践法をわかりやすく解説している。マンガやイラストが豊富で、疲れて思考力が落ちているときでもすっと読める構成だ。疲れを放置しないために、今こそ手に取ってほしい一冊である。
本書の要点
・働き方が大きく変化しているにもかかわらず、私たちはいまだに「寝る」という単一の休養法に頼りがちである。
・最大のパフォーマンスを発揮するためには、受け身ではなく主体的に休む「攻めの休養」が必要である。これは「活動→疲労→休養」という従来のサイクルに「活力」を加えた四角形のサイクルで行う。7つの休養タイプの中から自分に合ったものを選び、組み合わせて実践することで、休養の効率アップが期待できる。
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