レビュー

ほんの少し前まで、何かを調べようと思ったら「ググる」ことが当たり前であった。ChatGPTなどの生成AIが登場し、それを多くの人が使うようになったことで、ウェブにおける検索行動はガラリと変わってしまった。

キーワードをググって該当するページを探索するのではなく、質問によってAIから答えを直接得るようになっている。「新宿 やきとん 安い居酒屋」などと検索し、地道にいろんなページを比較検討して、ああでもないこうでもないと頭を悩ませる必要はない。「新宿でやきとんがおいしく、3000円くらいで満足できる居酒屋を5つ教えて」と尋ねれば、「最適化」された答えがすぐに出てくるのだから。
この流れが進んでいくのであれば、「検索エンジンで上位に表示されることを目指す方法」としての従来のSEOから、「AIに対して『自社の製品やサービスをどう認識させ、どう推薦させるか』がカギ」となるマーケティングへと転換していかなくてはならない。創業以来、幅広くSEOをサポートしてきた企業、LANYは、そうした新しい方法を「LLMO(Large Language Model Optimization=大規模言語モデル最適化)」と呼んでいる。
間に生成AIは挟まるが、その先にいるのはもちろん人間だ。AIに選ばれることは、人間に選ばれることにもつながる。「話しかけ方」が異なっているにすぎない。本書は、SEOとの違いをつぶさに検討しながら、未来のマーケティングを考えるための素材を提供する。
AIに推薦されるとは何なのか。やや哲学的な問いにも踏み込めそうな一冊である。

本書の要点

・生成AIを日常的に使う人が増えたことで、「ブランドを想起してもらう仕組み」「選ばれるための接点のつくり方」「人が購買を決める基準」までもが大きな影響を受けつつある。


・LLMOは「AIに対して信頼できる存在として刻まれる取り組み」だ。
・AIに最適解として推薦されるためには、AIから「“深く理解”され、“高く評価”され、“自信を持って推薦”される」という3つの段階すべてへのアプローチが求められる。
・LLMOでは、AIのタイプによって戦術は大きく2つに分けられる。1つは検索連動型AI、もう1つは対話型AIである。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

編集部おすすめ