レビュー

変化の激しい時代において、何を信じてキャリアを積み重ねるべきか――。多くの若者が抱くこの問いに対し、本書は驚くほど素直で力強い答えを示している。


著者の片石貴展氏は1993年生まれの「ゆとり世代」だ。株式会社アカツキで新規事業に従事したのち、インスタグラムアカウント「古着女子」を個人で立ち上げ、絶大な支持を得た。2018年にyutoriを創業し、2020年にはZOZOグループに参画。そして創業からわずか5年8カ月で東証グロース市場へ上場するという、アパレル業界史上最年少・最短記録を持つ経営者である。
そんな片石氏が辿ってきた道のりは、順風満帆どころか、挫折と迷いの連続だった。しかし、そこには「好き」と「仲間」に素直に向き合い続ける姿勢がある。
本書には、yutoriが成長を続ける理由と若者たちがyutoriのプロダクトに熱狂する理由が詰まっている。ブランドの作り方、コミュニティの育て方、組織の伸ばし方……どれも著者自身の経験に裏打ちされた言葉が綴られており、刺激的だ。特に、情熱と感性、そしてテクノロジーをミックスさせた「昭和×令和型の経営」は学びが多い。
若者文化を理解したい大人はもちろん、組織に悩むリーダーや事業を伸ばしたい若手、好きなことを仕事にしたい人にもぜひ読んでほしい。自分らしさは残したまま、強くしなやかに生きていくためのヒントが得られるはずである。

本書の要点

・著者は、インスタグラムアカウント「古着女子」の成功を足がかりとし、2018年4月に合同会社yutoriを設立した。

その後、2020年7月にはZOZOグループに参画し、2023年12月に東京証券取引所グロース市場に業界史上最年少で上場した。
・組織づくりにおいて意識しているのは、社長である自分にとっても、仲間にとっても、「一番心地よくいられる場所」であることだ。
・著者はこれからも、「生まれ平成、価値観昭和、売り方令和」で場とビジネスをつくっていく。



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