レビュー

みなさんは、こんな経験はないだろうか。商談や会議の場で、気づいたら、相手の提案にすっかり納得し、同意していたという経験だ。

しかも、強い言葉で説得されたわけでもなく、丸め込まれたわけでもない。ただ気持ちよく話していただけである。もしかしたら、それは相手の「質問の力」によるものかもしれない。
「質問は、情報を引き出すためのものであり、相手に影響を与えるわけではない」。そう思っているとしたら、本書を読むことでその考えは大きく変わるはずだ。
本書は弁護士として活躍する谷原誠氏が実践してきた「究極の質問術」を解説したものである。10万部超えのベストセラーが文庫化されたものだ。
質問の仕方によっては、相手に好印象を与えることも、部下をやる気にさせることも可能だ。さらには、自分の思う方向に相手を導き、求める行動を促すこともできる。
「質問するだけで、そんなことが可能なのか?」と疑問を持つかもしれないが、本書を読めばきっと納得する。「いい質問」のストックを増やし、実践することにより、人間関係も好転していくはずだ。本書にちりばめられた「いい質問」は、周囲に影響を与えるだけでなく、きっと自分自身の人生も変えていくだろう。

本書の要点

・人は質問されると、強制的にその話題について思考し、回答してしまう。質問によって、相手から情報を得るだけでなく、人に好かれる、人をその気にさせるなどの力を得ることができる。
・好意を持っている相手の質問には答えたくなるものだ。そのためには、自分が相手に関心と好意を持つことが大事になる。
・質問で人を動かすためには、質問のシナリオを作り、それに沿って尋ねることが大切だ。



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