レビュー

生成AIで業務を効率化したいのに、思うようなアウトプットが得られない。「結局、人が作業したほうが早い」と感じてしまう――そんな経験があるなら、本書はあなたの仕事を大きく変えてくれるはずである。


著者の松本勇気氏は、GunosyやDMM.comのCTOを歴任し、現在はLayerXの代表取締役CTOとしてFintechとAI・LLM事業を牽引する人物である。さらに日本CTO協会の立ち上げにも関わり、2025年からは顧問として活動するなど、技術と経営の最前線に立ち続けてきた。
本書の冒頭で、松本氏は生成AIを「物知りでタフで賢い新入社員」のような存在と表現する。どれほど優秀な人材であっても、入社直後に成果を出すことは難しい。会社固有の知識と方法論、この2つを正しく理解して初めて能力を発揮できるからだ。
松本氏は、生成AIもまったく同じだと指摘する。生成AIによる業務効率化がうまく進まないのは、「自社ならではの知識財産とその探し方」および「これまで積み重ねてきた方法論」を学ばせていないからだという。といっても、この2つを言語化するのは並大抵のことではないと、誰でも想像できるだろう。
そこで本書では、知識と方法を生成AIに教える「AIオンボーディング」について、その実践的なノウハウを体系立てて解説していく。読み進めるほどに、自社で成果が出ない理由がわかるだろう。
生成AIを全社や部門レベルで活用し、大規模な業務効率化を推し進めたいのであれば、本書に目を通すことが最大の近道である。本書を読んだかどうかで、生成AI時代の業務の質とスピードは大きく変わるだろう。

本書の要点

・LLMは新入社員のような存在である。物知りでタフで賢い一方、会社特有の知識や方法論を与えなければ、望む成果は発揮されない。
・本書では、自社固有の知識と業務手順を教え込み、LLMを実務で機能させる取り組みを「AIオンボーディング」と呼ぶ。
・AIオンボーディングを成立させるには、情報を整理し提供する「ナレッジベース」と、仕事の進め方を伝える「ワークフロー」の2つを整えることが欠かせない。



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