レビュー

必要事項をきちんと確認したつもりなのに、話が違うと言われた──仕事でそんなトラブルを経験したことがあるなら、その原因は質問力の不足にあるかもしれない。
本書の著者・田中志氏は、BCGでコンサルタントとして活躍した後に独立し、スタートアップから大企業まで幅広い新規事業支援を行ってきた人物である。


そんな著者が本書で扱うテーマは、「質問」だ。冒頭では、質問の仕方を誤ったことで取引先とトラブルになった、社会人歴半年の「小林くん」の事例が紹介される。
ある水曜日、小林くんの先輩のもとに「先日頼んだ資料が送られてこない」と取引先からの苦情が入った。小林くんは「ちゃんと『来週でいいですか?』と確認しました。『来週でいい』と言われたので、金曜までに送ればいいと思って」と答える。
経験のある読者なら、小林くんの質問が良くないことにすぐ気づくだろう。そして「来週の金曜まででいいですか?」と聞くべきだった、と考えるはずだ。しかし本書は、そこからさらに一歩踏み込む。「神質問」と呼ばれる問いを使えば、相手はより具体的に、しかも気持ちよく答えてくれるというのだ。
本書では、「基本質問」と「神質問」をセットで用いることで、相手との認識のズレを防ぎながら、欲しい答えを的確に引き出す方法が解説されている。コミュニケーションの無駄を減らし、仕事の精度と効率を高めたい人にとって、今すぐ読むべき一冊である。

本書の要点

・人は異なるスキーマで考えているため、曖昧な質問をすると、認識のズレによるトラブルが起こり得る。

ズレをなくすには、相手の本音や前提を引き出す「神質問」が有効だ。
・相手が答えやすい「基本質問」で対話の土台を固め、「神質問」で本音を引き出すという流れこそが、求める答えを的確に引き出す方法である。
・神質問をつくる際には、「数字」「~でない」「もし仮に~なら」「例えば~」「~と考えたのですが」「良い/悪い」「嬉しい/悲しい」「最も~/~より」という8つの「部品」が便利だ。



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