レビュー

経営者になってから、相談できる相手が減ったと感じる瞬間はないだろうか。社員には弱音を吐けないし、リアルな数字を誰かに共有することもできない。

本書は、そうした孤独を抱える経営者に寄り添い、一流の経営者の視点から示唆を与えてくれる。
著者の田中修治氏は、債務超過に陥っていたオンデーズの再建を任され、社長就任からわずか1年で黒字化を成し遂げた経営者だ。その後は海外展開を加速させ、13か国600店舗超、売上500億円規模にのぼるアジア最大級のメガネチェーンへと成長させてきた。
本書の大きな特徴は、Q&A形式で構成されている点にある。章は経営のフェーズごとに整理され、「一度買ってくれたお客さんが、なかなか戻って来てくれません」や「採用のミスマッチを減らすには、何から見直すべき?」など、現場で直面するリアルな課題に対して、田中氏が明快な答えを示していく。どれも豊富な経験をもとに導き出される具体的なアドバイスで、オンデーズの事例や自身の失敗談も包み隠さず語られている。
孤独な意思決定を日々重ねている経営者にとって、本書は心強いメンターであり、伴走者のような存在になるだろう。すでに経営の壁に直面している人はもちろん、起業を志す人や、人事・組織づくりを担う人にも手に取ってほしい一冊だ。

本書の要点

・主力商品づくりのコツは、「売れているけど不満が多い商品」を改善すること、口コミやレビューを読み込むこと、「もっと〇〇ならいいのに」という何気ない一言に注目すること、そして他業界のヒット事例を応用することだ。
・オンデーズでは、離職に関係しそうな情報を一覧化し、実際の離職率との因果関係を検証したところ、項目ごとに様々な傾向が浮かび上がってきた。この傾向をもとに採用戦略を最適化した結果、離職率は大きく改善された。
・社員の金融リテラシーが向上すれば、自分で考えて動く人が増え、組織全体としての稼ぐ力も確実に強まる。



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