レビュー

希望や野心を胸に社会人としての一歩を踏み出したものの、現実とのギャップに戸惑った経験がある人は少なくないだろう。社会に出れば、多くの失敗や挫折に直面する。

ときには、思いもよらぬ逆境に陥ることもあるはずだ。
本書は、これから社会に出る若者に向けて、人生の変化や逆境との向き合い方を綴ったメッセージ集である。著者は、立命館アジア太平洋大学名誉教授・前学長の出口治明氏だ。
出口氏は大学卒業後、大手生命保険会社に入社し、同期の中でもっとも早く部長に昇進した。ロンドン現地法人社長や国際業務部長などを歴任し、退職後はライフネット生命保険を創業。その後、立命館アジア太平洋大学の学長を務めた。
輝かしい経歴を持つ出口氏だが、実は想定外の出来事や逆境を幾度となく経験している。部長昇進後に左遷されたり、ビル管理会社に“飛ばされた”こともあった。さらには72歳で突然の病に倒れ、車いす生活を余儀なくされた。現在も言語障害が残る中、精力的に執筆活動を続けている。
そんな出口氏が語るのは、逆境に置かれたときに大切なのは「あきらめること」だということだ。あきらめるとは「投げやりになって、やめてしまうこと」ではない。
状況を「明らかに」して事実を受け入れ、次に自分がやるべきことを見つけるステップなのである。
「あきらめる」ことで前に進み続けてきた出口氏の言葉は、世代を超えて多くの人の心に響くだろう。悩み迷うあなたの背中を、力強く押してくれるはずだ。

本書の要点

・逆境に陥ったときは、「あきらめる(=状況を明らかにする)」ことが大切だ。「ファクト」を理解して受け入れることで、次のステップが見えてくる。
・世界を変えるには、身の回りの「小さな世界」で「小さな変化」を起こすこと。そのためには「小さなチャレンジ」をし続けることが重要だ。
・仕事はスピードが勝負だ。完璧ではなく、「6割」を目指して生産性を高めよう。
・人生でいちばん大事な力は「知の力」である。知の力は、「人・本・旅」で養うことができる。



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