レビュー

AIに仕事を奪われる。その認識で止まっているとしたら、もったいない。


スタンフォード大学の研究員として機械学習や人工知能の知識に自負のあった著者でさえ、ニューラルネットワークがしょせん「確率的な予測変換装置」にすぎず、「人間の仕事を置き換えるには程遠い」と、かつては考えていた。しかし、そこからのLLMの目を見張る進化は、ここで述べるまでもない。「今となっては生成AIをビジネスに実装しないことこそ最大のリスクだと確信する」ようになる。
生成AIはもはや、単なるチャットツールではない。業務プロセスを刷新し、人間の介在すら不要なAIエージェントも登場している。そのなかで「日本の生成AIのビジネス実装が遅れている状況」はあるが、少子高齢化が進む現代、「生成AIで解決すべき課題がどの国よりも多いのが日本」だろう。
本書は、生成AIのビジネス応用を多角的に解説し、どのような未来を実現できるかを具体的に描いている。アフターAIの世界では「現場力と人間力の深化」が重要であり、そこに日本が輝くための大きなヒントもあるという。
AIに駆逐されるのではないかと危惧している人も、AIの拓く可能性に貪欲に食らいつこうとしている人も、この本から得られる示唆は多い。私たちはまずもって、人間であるし、それをやめることもできない。でも、いまだかつてない人間であることもできる。アフターAIの選択肢は、無限に広がっているのだから。

本書の要点

・AI変革の波は、コパイロットとしてのサポートから、人間の代わりとして人間と連動しながら動くエージェントへと移っている。その進化速度は、かつての予測を上回るスピードだ。
・アフターAIのトレンドを見極めるには、5つの波をおさえるとよい。「生成AIの加速的進化」「AGI、ASIシンギュラリティー」「AIネイティブなスタートアップ」「BIGTEC」「既存産業内の競争」である。
・労働者人口が減る一方の現代において、付加価値を高めていくための存在が、AIエージェントである。
・アフターAIの世界を考えていくにあたり、実際に生成AIが影響を及ぼすさまざまな業務領域について、詳細に検討しておくことが大切だ。



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