レビュー

ビジネスの現場では、「コミュニケーション能力が高い人」が常に求められる一方で、その定義はどこか曖昧だ。では、ビジネスにおける「コミュニケーション能力が高い人」とは、いったいどのような人物なのか。

人当たりのいい人か、誰とでも物おじせず話せる人か、すらすら言葉が出てくる人か。本書は、その曖昧な概念に、明確な輪郭を与えていく。
著者の安達裕哉氏は、デロイト トーマツ コンサルティング(現アビームコンサルティング)で12年間にわたり1000社以上の企業を支援した、経験豊富なコンサルタントだ。2023年、2024年に日本で一番売れたビジネス書(トーハン・日販調べ)『頭のいい人が話す前に考えていること』の著者でもある。
本書が解き明かすのは、ビジネスにおけるコミュニケーション能力とは、「人当たり」でも「話術」でもないという事実である。真のコミュニケーション能力とは、相手の要求を「気を利かせて」読み取り、「自分のアウトプットをだれかに利用してもらうための力」にほかならない。「察してくれ」や「きっとこうだろう」に頼らず、相手に伝え、確認し、聞き続ける姿勢こそが成果を生むのだという。
読み進めるうちに、社会人歴の長い読者であっても、思わずハッとする場面が何度も訪れるはずだ。「自分に足りないのはこの姿勢だったのか」「部下が成果を出せない理由はここにあったのか」と、過去の経験の見え方がどんどん塗り替えられていく。職種や職位にかかわらず、大きな成果を生み出したいすべてのビジネスパーソンに、本書を強く勧めたい。

本書の要点

・仕事におけるコミュニケーションの要諦は、相手に察してもらおうとしないことである。仕事相手が多様化する現代においては、自分の思い込みで進めるのではなく、相手にきちんと伝え、確認し、聞く姿勢が不可欠だ。


・仕事で求められるコミュニケーション能力とは「一緒に仕事をして成果が出ること=自分のアウトプットをだれかに利用してもらうための力」である。
・ビジネスにおいては、顧客などから「アドバイスがほしい」と言われても、それを素直に受け取ってはいけない。6つのステップを通して、「話を聞いてもらえる状況」をつくり出す必要がある。



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