レビュー

2021年出版の『問いかけの作法』は、「問いかけ」という日常的な行為を、チームの魅力と才能を引き出す技術と捉え直し、ベストセラーとなった。本書『新 問いかけの作法』はそこに加筆・修正・再編成が加えられ、さらにパワーアップした一冊である。


本書は、従来のマネジメントが前提としてきた「軍事的世界観」に疑問を投げかけ、人が本来持つ創造性やこだわりを引き出す「冒険的世界観」への転換を提案する。その中核に置かれるのが、相手の反応を引き出し、場の空気そのものを変える「問いかけ」の技術である。方法論は「見立てる」「組み立てる」「投げかける」の3つの段階に分けて解説される。チームや場の状態を観察し、何がこだわりで何がとらわれなのかを見極めたうえで、適切な質問を組み立て、相手に届くかたちで投げかける。この一連のプロセスを循環させることで、停滞した議論が動き出し、メンバーの個性を立ち上がらせていくことができる。
紹介される質問例を読んでいると、自分はその会議に参加しているわけではないにもかかわらず、つい答えを探して考えはじめてしまう。それほどまでに本書の「問いかけ」は思考を促しやすい設計になっているということだろう。もし自分がファシリテーターを務める会議でこのような質問をすることができれば、チームの雰囲気を自ら変えることができそうだ。沈黙が支配するミーティングを変えたい人、チームの可能性を引き出したい人にとって、本書は問いかけの力を再発見させる実用的かつ示唆に富んだ一冊である。

本書の要点

・チームの力を引き出すためには、従業員を「戦略」を忠実に実行する「兵隊」として扱う「軍事的世界観」から抜け出して、人間が本来持っている創造性を発揮できるチームづくり・組織づくりを目指す「冒険的世界観」のチームを目指すべきだ。
・冒険的世界観のチームは、「見立て」「組み立て」「投げかけ」の3つの作法の循環を伴う「問いかけ」によって実現することができる。



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