レビュー

商品・サービスの継続率を高め、クロスセル・アップセルを促進し、口コミが広がって顧客獲得につながる――。もし、こうした成果を同時に実現できる施策があるとしたら、誰もが一刻も早く実施したくなるだろう。

本書は、その理想に現実的なアプローチを与えてくれる一冊である。
そのアプローチとは、習慣化の促進だ。ユーザーが商品・サービスの利用を習慣化できれば、冒頭で挙げた成果が現実のものとなる。
著者の松迫崇道氏は、習慣化メソッドを活用した商品・サービスのデザインコンサルティングを行なうハビットデザイナーである。習慣化にフォーカスしたオンラインフィットネスサービスを展開するほか、企業に向けた習慣形成UXの改善支援や社員の習慣化プログラム支援などを手がけてきた。
本書の最大の読みどころは、習慣化に役立つ35の「ハビットデザインメソッド」である。既存の習慣と新しい行動を結びつける「チェーンプランニング」、称号や報酬によって行動を後押しする「クエスト&リワード」、1日の目標を極限まで小さくする「超ミニマムゴール」など、各メソッドは実際のサービス事例とともに解説され、応用のイメージがしやすい。
プロダクト開発者やUXデザイナー、マーケターはもちろん、プロダクトの成長に行き詰まりを感じている人、ユーザー体験を根本から見直したい人、そして三日坊主に悩み続けてきた人にとっても、多くの示唆を与えてくれる一冊である。

本書の要点

・習慣化しやすい商品・サービスは、大きく分けて2つの方向性から設計されている。1つは、「ついやりたくなる」と感じさせること。もう1つは、努力に頼らず続けられるよう、習慣化しやすい仕掛けを取り入れることである。
・習慣化に効果的なメソッドの代表例が「チェーンプランニング」だ。

これは、すでに日常に定着している習慣と新しく継続したい行動をセットにする手法である。実例として挙げられるのが、「朝専用コーヒー」というコンセプトを打ち出した「ワンダ モーニングショット」で、既存の朝の行動に自然に組み込まれる設計が習慣形成につながっている。



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