レビュー
誰とも会話をしない日はあっても、「自分」と話さない日は1日たりともないのではないだろうか。親友よりもパートナーよりも、一番たくさん話している相手は、紛れもなく「自分」である。
しかし、自分との会話はいつも前向きなものばかりではない。たとえば、ネガティブな出来事を思い出したとき。「また会議で余計なこと言っちゃった。なんで自分はいつもこうなんだろう。ほんとイヤになる……」と、自分を責める言葉が頭の中でグルグルと回る。
本書はそんな、頭の中に渦巻く「ネガティブなひとりごと」、心理学でいう「反すう」をテーマにした一冊だ。反すうは放っておくと、どんどん増幅していき、ひどいときには「こんな自分は生きていても仕方ない」と思い詰めるまでになるという。本書では反すうのメカニズムを解き明かし、いかにそれに気づき、離れるかを解説する。
著者は『我慢して生きるほど人生は長くない』『がんばることをやめられない』などの著書を持つ、心療内科医の鈴木裕介さんだ。生きづらさを抱える現代人に寄り添い、心身の健康を取り戻すための方法をやさしく説いた著書は、いずれも幅広い読者層から支持を得ている。
他者との会話と違って、自分を責める言葉を止める人は自分以外にいない。どんな自分であっても、自分とは一生のつき合いになる。
本書の要点
・過去の出来事を思い出し、ネガティブなことを何度も思い返してしまうことを「反すう」とよぶ。反すうを繰り返すと気持ちが落ち込み、心の健康に悪影響を及ぼすこともある。
・自分が反すうしていることに気づき、離れることが大切だ。離れるには「拡張版コンテイナーテクニック」などのイメージワークや、呼吸法を使ったボディワークが有効だ。
・反すうは、記憶と感情がリンクしている。罪悪感や恥、無力感、怒りのような感情は、強烈な体験による認知のゆがみによって生じている可能性がある。
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