レビュー
社会が変われば、ビジネスモデルも変わる。本書は現時点(2025年)におけるビジネスモデルを明らかにし、その代表企業50社を図解とともに紹介する一冊だ。
「ビジネスモデル2.0」は、2000年代後半に現れたビジネスモデルである。リーマンショックや東日本大震災など、社会を根幹から揺るがす出来事が相次いだこの時期、経済合理性を優先してきた企業のあり方を問い直す動きが見られるようになった。営利企業にも社会的価値の創出が求められるようになり、社会課題の解決や持続可能な経営を目指すビジネスモデルが台頭したのである。
そうした流れに新たな視点を加えたのが「ビジネスモデル3.0」だ。ここでは「共創性」と「適応性」がキーワードとなる。企業が一方的に価値を提供するのではなく、ステークホルダーとともに価値を創り出すこと。そして、正解をあらかじめ用意して緻密に計画を立てるのではなく、変化の激しい社会の中で、企業自らが変わり続けながら前進していくこと――それが「ビジネスモデル3.0」の要諦である。
本書は「図鑑」と銘打つだけあり、図解でシンプルに整理されており、ビジネスの仕組みや流れが直感的に理解できる。紹介されているのは、いずれも今をときめく注目企業ばかりだ。他社研究として活用するもよし、起業のヒントを探すのもよし。まずは肩の力を抜いて、楽しみながらページをめくってほしい。
本書の要点
・ビジネスモデルは、「静的」なものから「動的」なものに変化した。「ビジネスモデル3.0」には、従来モデルの経済性・社会性・創造性に加え、共創性・適応性という新しい視点が入った。
・「タイミー(Timee)」は企業と働き手を即時マッチングし、短時間ですぐに働ける仕組みを構築した。現在は全国の自治体と連携し、人手不足を補う労働インフラになりつつある。
・「街全体を一つのホテルに見立てる」がコンセプトの「SEKAI HOTEL」は、地方の空き家・空きテナント問題を「旅」の視点で解決しようとしている。
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