レビュー

「練習を頑張っているのに、なぜか成果が出ない」。そんな感覚を抱いたことがある人は少なくないだろう。

スポーツアスリートのトレーナーである著者・中野ジェームズ修一氏は、その原因の一つとして、多くの人が無自覚のうちに身体を力ませてしまっている点を挙げている。スポーツでパワーやスピードを発揮するためには、身体が適切に「脱力」していることが不可欠だ。しかし「力を抜いて」と言われても、うまく脱力できなかったり、意識しすぎることでかえって力が発揮できなくなったりするケースは多い。
一方で著者は、ただ力を抜けばよいとは述べていない。理想とされるのは、「精神がリラクゼーション、体幹がテンション(ポジティブな緊張)、四肢がリラクゼーション」という状態である。このバランスが取れてはじめて、高いパフォーマンスが引き出されるという。
こうした考え方は、スポーツに限った話ではない。たとえば重要なプレゼンテーションで、緊張してしまい、思うように話せなかった経験は誰しもあるだろう。どれだけ入念に準備を重ねても、本番で過度な緊張に支配されてしまっては、準備の成果が出せないだろう。
本書には、本番で最高のパフォーマンスを発揮するために、「脱力」と「緊張」をどのようにバランスさせるか、その考え方と実践法が体系的にまとめられている。仕事でもスポーツでも、結果を左右するのは努力の量だけではない。本番前の心身の整え方を見直したい人に、多くの示唆を与えてくれる一冊である。

本書の要点

・脱力には「リラクゼーション」と「エグゾーション」の2種類が、緊張には「テンション」と「ナーバス」の2種類がある。高いパフォーマンスを出しやすいのは、「精神がリラクゼーション、体幹がテンション、四肢がリラクゼーション」の状態のときだ。
・精神がナーバスな状態では、身体にもネガティブな影響があらわれ、高いパフォーマンスを出すのは困難になる。
・重要な局面で適切な精神状態をキープするには、リフレーミングやリハーサルが有効だ。



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