レビュー

みんなで一生懸命頑張っていれば成果が出る。効率を上げてコストダウンすると利益が増える。

きちんと進捗管理すれば納期が守れる――。こうした企業現場で当たり前とされてきた通説が、実は多くの組織の成長を妨げているとしたら、どうだろうか。
著者の岸良裕司氏は、経営を「科学」として捉え、全体最適のマネジメント理論(Theory Of Constraints:TOC)つまり制約理論を産業界や行政改革で実践してきた人物だ。『ザ・ゴール』で世界的に有名なゴールドラット博士がその手腕を絶賛したほどである。現場では、本来集中して解消すべきボトルネックがあるのに、プロセス全体を改善しようとすると、希少なリソースが失われてしまう。こうした組織運営における真の阻害要因とは何なのか。
本書は、冒頭に挙げたような69個の「思い込み」から私たちを解き放ってくれる。会計、生産、サプライチェーンマネジメント、プロジェクトマネジメント、問題解決、提案、イノベーション、評価制度といった観点から、劇的な成果を出す方法論を解説する。これを指針にすれば、日々の意思決定が科学的根拠に基づいて見直せるようになるだろう。
読後には、TOCの導入により業績が上がり、組織内のチームワークとやりがいが高まる背景がストンと腑に落ちる。さらには、変えられる未来に集中するマネジメントの視点が身につくはずだ。常識を打ち破るチェンジリーダーを目指す方に、ぜひとも本書をおすすめしたい。

本書の要点

・組織は「全体最適」で成果を出す。個々の努力ではなく、ボトルネックに集中して助け合うことで、短期間で業績が上がる。
・大ロット生産や効率追求は在庫や滞留時間を増やし、利益を圧迫する。DBRによって投入を制御すれば、リードタイムもキャッシュフローも改善する。
・全体最適のプロジェクトマネジメントCCPMによって、「変えられる未来」に焦点を当てることができ、現場にゆとりが生まれる。



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