レビュー

多くのマーケターは、「競合より良い商品なのに売れない」「広告の反応はいいのに購買につながらない」という違和感を一度は抱いたことがあるだろう。そのような人が本書を読めば、「売れる/売れない」の違い――売れるブランドは好かれているから選ばれるのではない。

選ばれるから使われ続け、結果として好かれる――が明確に理解できるはずだ。
本書は2名の著者による共著となっている。村山幹朗氏は株式会社コレクシア代表として8000件以上のカスタマージャーニー設計を手がけてきた実務家である。芹澤連氏は数学・統計学・心理学・文化人類学を横断するマーケティングサイエンティストで、非購買層研究の第一人者として様々な業界の戦略支援を行ってきた。
本書の核心はシンプルである。それは「購買は意向ではなく習慣で決まる」だ。その主張は決して印象論ではなく、行動科学や神経科学をはじめとする多領域の実証研究に裏づけられており、納得感がある。
本書は、購買を決める本当の要因が「意向」ではなく「習慣」にある理由と、「未顧客」が次に選ぶブランドになるための戦略をきめ細やかに解説していく。マーケティングに携わる人はもちろん、売上や顧客行動に関わるすべてのビジネスパーソンにとって、気づきに満ちた一冊である。

本書の要点

・ブランド選択の多くは意向ではなく習慣によって決まる。そのブランドが「最高」でなくとも「十分」である限り、消費者は積極的に別の選択肢を探そうとはしない。習慣に組み込まれたブランドほど優位に立てる一方、新規ブランドを想起・選択させることは容易ではない。


・ブランド成長の鍵は、想起されやすい状態(メンタルアベイラビリティ)と買いやすい状態(フィジカルアベイラビリティ)を維持・強化することにある。
・ブランド選択の勝負は購買時ではなく未顧客期間に決まっており、将来選ばれる確率は日常接触や記憶形成の蓄積によって大きく左右される。



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