レビュー

「ネット検索と言えばGoogle」「電気自動車と言えばテスラ」というように、「〇〇と言えば?」と問われてパッと思い出される企業・ブランドの数は限られている。多くても、せいぜい2つか3つだろう。


そのため、新商品を売り出して「思い出してもらえる存在」になるのは、非常に困難な試みだと言える。ならば、これまでになかった「新しいカテゴリー」を作り出し、その中で「一番手」になってしまおう、というのが本書の主張である。そもそも「ネット検索」「電気自動車」というカテゴリーも、かつては存在していなかったのだから。
本書では、このように新しいカテゴリーを創造して、その中でナンバーワンになるためのマーケティング戦略が説かれている。著者は、ネスレや外資系企業でブランドマーケティングを担当し、独立後は企業の事業戦略やマーケティング戦略支援を行っている田岡凌氏だ。初の著書となる本書は、「実務者が選ぶマーケティング本大賞2025」で見事、大賞に選ばれた。
新しいカテゴリーを創造するのは決して簡単なことではない。そこで必要になる戦略や方法について、本書では詳細かつ具体的に解説されている。特に重視されているのが、主語を顧客に置き、顧客がどのような潜在課題を抱えているのかを、実際に足を運んで検証することだ。これはカテゴリー戦略に限らず、マーケティング全般や、経営全般にも通ずることである。そういった観点からも、本書は幅広い学びが得られる一冊と言えよう。

本書の要点

・新しい事業で急成長を目指すなら「一番」になる必要があるが、既存カテゴリーの中では難しい。

そこで新しいカテゴリーを創造して、その中で一番手を目指す――それが「カテゴリー戦略」である。
・カテゴリー戦略で最も重要なのは、顧客理解だ。顧客の潜在課題を明らかにし、自分たちだけが提供できる独自価値を作り、それを浸透させていく。
・カテゴリー戦略モデル「4C」は、潜在課題の見極め(Customer Problem)、独自価値の定義(Category Value)、想起できるキーワードの定義(Category Keyword)、直感できるイメージの定義(Category Perception)の4要素から成る。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

編集部おすすめ