レビュー

「考えるな」と言われても、常に何かしらを考えてしまうのが人間である。しかし、その多くは現実的な課題ではなく、とりとめのないことが中心だ。


たとえば、友人との会話を思い出して「余計なこと言ってしまった。気を悪くしたかな……」と不安になったり、「会議の空気を壊したのは、自分のあの発言かも」と会議の場面を何度も思い返したり。他人からすれば「そんなの考えすぎだよ」と言いたくなるようなことでも、本人にとっては大問題。ぐるぐる、ぐるぐると考え続けてしまう。
本書は、私たちにつきまとう「考えすぎ問題」をテーマにした一冊だ。世界中の学術研究を引き合いに、「考えてはいけないこと」をリスト化。「考えないための方法」とセットにして教えてくれる。
著者は、明治大学の堀田秀吾教授だ。言語学や脳科学の知見にもとづいた著書はベストセラーを連発しており、『ハーバード、スタンフォード、オックスフォード… 科学的に証明された すごい習慣大百科』は「読者が選ぶビジネス書グランプリ2026」で自己啓発部門賞に輝いた。本書でもイラストや図解を交えつつ、考えすぎてしまうメカニズムと、それを阻止するアプローチをわかりやすく解説してくれる。
目次を見ると、「これは自分のことかも」と思う言葉が並ぶ。「自分は周囲にどう思われているか?」「もしあのとき、〇〇していたら」「完璧にやらなきゃ」……。
まずは気になるページを開き、そこから読み進めてみよう。頭の中にこだまする、自分を責める声が静かになっていくはずだ。

本書の要点

・人間は進化の過程で「集団の中での位置」を気にしてきたため、「他人と比べずにはいられない」傾向がある。他人の目から自由になるには、まず比較グセに「気づく」ことである。
・過去の出来事に対して「もしもあのとき、〇〇していれば」と別の可能性を想像することで、行動の改善を促すことがある。ただし行き過ぎるとうつや不安を引き起こすため、注意が必要だ。
・未来を心配しても、その97%は現実にならない。
・自分を責めると、心は常に「攻撃されている状態」になり、心の健康を損なってしまう。



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