レビュー

ChatGPTやGemini、Claudeといった生成AIの急速な進化と普及は、人びとを「世界一賢い生活者」にしている。かれらにこれまでのマーケティング手法は通用しない。

もはや、AIに選ばれず、ファンも大切にしない企業には危機が訪れる時代となっているのだ。企業側だけが豊かな情報資源を活用していた情報の非対称性が崩れたことで、BtoCの構造自体が崩壊し、「BtoAwC」(生活者とともにある(with)AIに対して企業がアプローチするかたち)へと移り変わっているのである。
そこで本書は、選ばれつづけるためのルートとして、「AIルート」「ファンルート」の2つに整理したうえで、それぞれについての具体策を提案している。そのベースにあるのは、「AI時代だからこそ、人間的な『長く続くいい関係性』が最強の競争力になる」という思いだ。
情報の送り手以上にその内実を理解しているAIが、情報の受け手とともにあるいま、情報の伝え方自体を変えていかなくてはならない。「世界一賢い生活者」に囲まれた企業群は、いったいどうすれば選ばれつづける存在になれるのだろう。それを突き詰めていった先に、これまで非対称な存在だった企業と生活者が、「共に対話し、共に学びあい、共に高めあうような『新しい関係性』」を見出していける。それが、コミュニケーション・ディレクターである佐藤尚之(さとなお)氏の強く提唱する、ファンベース経営だ。
情報の大洪水に押し流され、本当に自分たちの存在が忘れ去られてしまう前に、明るい未来をつかむ準備を、本書で整えよう。

本書の要点

・AIと一心同体になった「世界一賢い生活者」ばかりのなかで、ファンという、「AIの論理を超えた『関係性』こそが、AI時代における企業の生命線」となる。
・この状況でのマーケティングの切り口は、「AIルート」と「ファンルート」の2つに分かれる。
・AIに選ばれるためのAIルートを攻略するためのフレームワークが、TRUSTとSENSEだ。


・AIの推奨がなくても、指名買いで、競争なく選ばれつづける状態をつくれるのがファンベースであり、AIルートと「相互にシナジーを生みあう」。



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