レビュー

周囲の人とうまく付き合える人は、社会の「良きメンバー」になれる。親切で誠実な人となら快適な生活を送れる。

そういう「気が利く」人と友だちになりたい。私たちは自然とそのように思うものだが、気が利かない人だからといって、大きな対人不安にまでつながるわけではない。「ちょっと配慮が足りないな……」くらいには感じるかもしれないが、職場やサークルといった人の集まる環境、コミュニティでは致し方ないことといえる。そんなあなたも、場所が変われば「気が利かない」と思われているかもしれない。
とはいえ、この「気が利く」にはさまざまなことが含意されているのもまた、事実であろう。それを社会的認知の研究者として解きほぐそうとしたのが、本書である。「どういうことが『気が利く』につながるのか」を考えるには、「その背後にある人間関係をめぐる心の動きを知ることが有用」というわけだ。その延長線上には、「他者との良い関係に必要なことが集約されたあり方」が見えてくる。
本書では、自分の振る舞い方と自分の見られ方という2つを分けて考えたあと、実践可能なスキルとして「気が利く」ことをとらえる。世に溢れるノウハウのように、「気が利く」はつくれるわけだ。周囲とうまくやっていきたい、少しでも配慮できる人だと思われたい、という欲求は、多くの人がもっているだろう。誰もが一度は通過しておきたい一冊である。

本書の要点

・「気が利く」言動の背景には、他者への配慮が必ずある。それが適切になされるには、「他者の望みや考えを推し量ること」が求められる。
・共感に基づく配慮は、良好な対人関係を維持するだけでなく、利他的な行動である支援行為につながる。他者への配慮は、「気が利く行為の本質の一つだといえる」だろう。
・バイアスを認識したうえで、他者との相互作用において自分もそうしたバイアスに陥っているかもしれないと想像し、自分の言動を自己制御していくことが必要となる。
・「気が利くと見てもらえる」ためには、人柄が良いと認知してもらわなければならない。



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