レビュー
指示出しを苦手とする人は少なくないだろう。要約者自身も、「自分で考えて」「失敗しないように」といった、部下に仕事を丸投げするような言い方をしてしまっていた時期がある。
本書は、上手な指示の出し方を知りたい人におすすめしたい一冊である。ビジネスのよくある場面ごとに、指示出しの「上手な人」と「下手な人」を対比させながら話が進むため、非常に理解しやすい。
たとえば、部下からプロジェクトの進捗報告が上がってきておらず、情報共有を促したい場面では、あなたならどのように声をかけるだろうか。
本書によれば、指示が下手な人は「納期は守ってもらわないと困るから。遅れそうなら、はやく言うように。ギリギリで言われても調整できないよ」と言ってしまう。一方、指示がうまい人は「予定通り進まないことって普通にあるから。遅れそうなら、はやく聞いてほしくて。選択肢が多いうちに一緒に考えたいんだよね」と伝えるという。
「はやく言うように」と「はやく聞いてほしくて」。ほんのわずかな違いだが、プロジェクトがうまく進むのはどちらか、誰の目にも明らかだろう。
指示は言葉を通して伝わる以上、その言葉遣いには細やかな配慮が求められる。本書は、イメージしやすい具体的な会話例を通して、上手な指示の仕方を教えてくれる一冊である。
本書の要点
・部下に進捗報告を促す場面で、指示が下手な人は「はやく言うように」と声をかける。一方、指示がうまい人は「はやく聞いてほしくて」と伝え、命令ではなく期待を示すことで相手の行動を引き出す。
・他部署に協力を依頼する場面では、巻き込みが下手な人ほど「うちの部署で必要だから」「協力が不可欠だから」と自分側の事情ばかりを強調する。巻き込み上手な人は、相手にとっての具体的なメリットを示すと同時に、相手の懸念を先回りして和らげる。
・リマインドが下手な人は、「自分が」困っていることを伝えて相手を急かす。一方、リマインドがうまい人は、「相手の」困りごとを聞き出し、進行を妨げている要因を取り除くための支援を行う。
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