レビュー

AIのある未来において、社会はどう変わるのか。AIによって解決される問題、新たに生まれる問題は何か――。

日々メディアを通して大量の情報が流れ込んでくるが、どこかSFの世界の話のようで、現実としての手触りがない。要約者はそう感じていた。
もし、要約者と同じ感覚を持っている人がいるなら、いま読むべきは本書である。
本書の著者は中島聡氏だ。大学時代には世界初のパソコン用CADソフトを開発し、巨額のロイヤリティーを得た。社会人になってからはNTTの研究所とマイクロソフト日本法人に勤務。その後、米マイクロソフト本社に所属し、Windows95に「右クリック」「ダブルクリック」「ドロップ&ドラッグ」などの機能を実装して世界に普及させた、まさにレジェンドである。
本書では、そんな中島氏が、AIがもたらす未来をリアルに描き出している。5つのチャプターに分かれており、それぞれの冒頭に短編小説が置かれ、その後に小説で描かれたテーマを、社会課題と結びつけながらわかりやすく解説する形式になっている。
業界のレジェンドが書いた本と聞くと、難解な内容を想像する人もいるかもしれない。しかし安心してほしい。どの小説も続きが気になって一気に読み進めてしまうはずだ。
小説で具体的なイメージをつかめるため、その後の解説も自然と頭に入ってくる。
本書によれば、AIがもたらす未来は多くの人の想像をはるかに超えるものだ。学生から仕事をリタイアした人まで、ぜひ多くの人に手に取ってほしい一冊である。

本書の要点

・パーソナライズされた大規模言語モデル(LLM)にIoTやウェアラブルデバイスを組み合わせれば、亡き配偶者の人格を再現した「故人AI」が、独り暮らしの高齢者を見守ることは十分に可能だ。AIは見守り対象者と親密に会話しながら、ウェアラブルデバイスを通じて24時間体制でバイタルデータなどを解析し、異常を検知すれば即座に家族や医療機関へ通報する。
・AIと人型ロボットが労働の8割を代替する未来は、高い確率で現実になる。一見すると理想的に思えるが、その一方で「生きがいの喪失」という新たな問題が生まれる可能性がある。



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