レビュー

私が暮らしている北欧デンマークの人びとは「休む達人」です――本書の「まえがき」に登場する印象的な一文である。幸福度ランキングで常にトップ3にランクインする国・デンマークでは、人びとは、平日は午後4時、金曜日は午後2~3時に仕事を切り上げ、夏休みには3週間以上の連休を満喫する。

しかも天気がよければ、平日でも仕事を早めに終えて日光浴を楽しむという。
ここまで聞くと、多くの人は「たしかに『休む達人』ではあるけれど、それで仕事はまわっているの?」という疑問を抱くのではないだろうか。だが著者によれば、デンマークの人びとは、ゆったり休みを満喫するために、限られた時間の中で効率的に働くのだそうだ。実際、6年連続でビジネス効率性トップに輝いているというから驚きである。
著者の針貝有佳氏は、2009年から現地に暮らすデンマーク文化研究家だ。『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』などの著書がベストセラーとなっている。
本書は、そんな針貝氏がデンマークの「休み方」にとことんフォーカスした一冊である。仕事観と休暇観、休みの時間をどのように過ごしているのか、社会の中で「休むこと」がどのように受け止められているのかが丁寧に語られている。人びとの生の声が豊富に紹介されているのも、現地にネットワークを持つ針貝氏ならではだろう。
冒頭を読んで「たしかに『休む達人』ではあるけれど、それで仕事はまわっているの?」と思った人にこそ、本書を手に取ってほしい。あなたの休み方はもちろん、仕事との向き合い方まで変える可能性を秘めた一冊である。

本書の要点

・デンマーク人は「休む達人」でありながら、6年連続でビジネス効率性トップに輝いている。

それは、休みを存分に楽しむために、限られた時間の中で効率的に働いているからだ。
・デンマーク人の主な休みの過ごし方は、運動・趣味・社交である。運動は週に数回、1つだけでなく複数の運動を組み合わせて楽しむ人が多い。
・デンマークでは、まず「休みのデザイン」をしてから「働き方のデザイン」を考えるのが一般的だ。休みの予定が、日々の生活を乗り越えるパワーの源になっている。



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