レビュー

本書のベースとなった書籍『IKIGAI』は2016年にスペインで刊行され、瞬く間に世界的ベストセラーとなった。世界中で「生きがいブーム」が起こり、その続編となる『The IKIGAI Journey』も大ヒットした。

これらの現象からは、現代社会がいかに「生きがい」に飢えているかがうかがえる。近年の「ブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)」や「断捨離」ムーブメントは、物質的に飽和し、生きる意味を見出しにくくなった現代へのカウンターであり、本書はそうした問いに対する一つの答えを提示する。こうした社会学的読み解きは、本書の監修者解説を読むといっそう理解が深まるだろう。
あらためて、生きがいとは何だろうか。本書は沖縄の長寿者たちへの取材を核の一つにしており、そこから学べることは多い。ただし、必ずしも「長寿」だけに焦点を当てているわけではなく、多種多様な生きがいの姿を見せてくれるのが大きな魅力だ。本書に登場する手塚治虫やスティーブ・ジョブズは長命ではなかった。彼らの人生をはじめとする多様な他者を鏡として、自分の幸福や生きがいを見つめ直すことができるだろう。また後半では、自身の生きがいを未来と過去から探っていく実践的なワークも掲載されている。
とはいえ、小難しく重苦しい雰囲気はまったくない。著者自身が生きがいを追求する旅を思う存分楽しんでいることが、端々から伝わってくる。何を「生きがい」とするかを決めるのは自分だ。
豊富な事例と知見の中に、「生きがい探しのヒント」が見つかるはずだ。

本書の要点

・幸せな人とそうでない人を分けるのは「生きがいに気づけているかどうか」だ。
・「長寿の里」として知られる沖縄県の村でのインタビューには、アクティブでいながらゆったりとした村の生活と言葉に、生きがいのヒントが隠されている。
・生きがいの4つの要素は「自分の好きなこと」「世の中が必要としていること」「報酬をもらえること」「得意なこと」である。



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