文 田島 大
プレミアリーグで最下位に低迷するノリッチだが、彼らは間違いなく爪痕を残している。同じ昇格組のシェフィールド・ユナイテッドが80億円、アストンビラに至っては200億円も補強に費やす中、ノリッチはわずか10億円の補強しか行わなかった。
そんなノリッチには、生え抜きの異端児がいる。それが“ノリッチのジャスティン・ビーバー”ことトッド・カントウェル(22歳)だ。
ビッグクラブも熱視線を送る逸材
地元出身のMFカントウェルは、9歳からノリッチに所属する正真正銘の生え抜きだ。2018年にデビューを果たすと、昨季は2部リーグで24試合に出場して昇格に貢献。そして今季のプレミアでも、ここまで6ゴール2アシストという活躍を見せ、マンチェスター勢やリバプールから熱視線を送られている。
華麗な足技、金髪のいで立ち、そしてラッパーのヤング・サグから影響を受けたゴールセレブレーション。“ジャスティン・ビーバー”と呼ばれるのも何となく納得できる。
英紙『Daily Mail』で元ノリッチのクリス・サットン(現在は解説者)と対談した際にもニックネームの話になり、その由来が語られた。カントウェルはトップチームに昇格した際、チームメイトの前で一曲歌うことになり、ジャスティン・ビーバーの『Love Yourself』を披露したという。その影響で「ノリッチのビーバー」と呼ばれるようになったが、サットンは彼を「デアレム(カントウェルの出身地)のデコ」と呼ぶ。
どちらの愛称がしっくりくるか聞かれたカントウェルは「デコは素晴らしい選手だった。
誤解を招いた自信家の一面
「僕は小さい頃に『お前は通用しない』と言われたことがある。『うまいけど小さすぎるし、心構えがなっていない』と言われたんだ」。カントウェルはアカデミー時代をそう振り返った。コーチ陣が懐疑的だったのも理解できる。カントウェルは“王様気質”だったのだ。
バルセロナの下部組織なら逸材と呼ばれるだろうが、ノリッチでは生意気だと誤解された。本人もこう話す。「試合中に足技を披露したら『遊んでいる。うぬぼれている』と言われた。でも、僕は両親から自己表現の大切さを教わって育ったんだ」
「選手には自信が必要だと思う。自信家とうぬぼれは紙一重だけど、僕は自信家の方だと思う」と付け加えるカントだが、そんな彼にも苦手なプレーがあるという。
「ヘディングで決めろ」と言われて……
先日、英国では11歳以下の子供たちにヘディングの練習をさせないガイドラインが導入されたが、もちろんカントウェルが子供の頃は違った。ユース時代にはこんなエピソードがある。トッテナム戦で前半のうちに2得点すると、今度は「ヘディングで決めてみろ」とコーチに言われたのだ。
そこでカントウェルは、相手GKまで抜き去った後、ピッチにはいつくばるようにして頭でゴールを決めたのだ。「軽い冗談のつもりだった。別に敬意を欠くつもりはなかった……」と本人は話すが、指導者には冗談が通じなかったようで、途中で交代させられたという。
それでも順調にステップアップを果たし、今季はU-21イングランド代表にも選出されて注目を集めている。「“ビッグ6”でもプレーできそうか?」とサットンに聞かれると、「このまま成長していけば、絶対にできると思う」と答える。「最高峰に辿り着けると信じなければ、始めからプレーする意味がない。自分が信じなければ、誰が信じてくれるの?」
今はノリッチでの残留争いしか頭にないと言うが、成長への意欲も忘れていない。「約束するよ。
身体が小さくても、ミスをしても、態度が悪いと周りから誤解されても、立派なプロ選手になれる。メッシがそうだったように、彼もまた世界中の子供たちに勇気を与える存在になるはずだ。特にヘディングが不得意な子供たちに――。
Photo: Getty Images

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