「日本三大料亭」と称され、歴代首相や財界人も訪れる老舗料亭の御曹司がシャブを隠し持っていた──。
覚醒剤や大麻を所持したとして警視庁向島署は11日までに、東京・銀座などで4店舗の料理店を経営する「金田中」社長の岡副真吾容疑者(63)を覚醒剤取締法違反などの疑いで逮捕した。
「違法薬物を所持している」
警視庁にタレコミがあり、令状を取って港区南青山の自宅マンションを家宅捜索したところ、複数回使用できる量の覚醒剤と、自作の吸引パイプが見つかった。調べに対し、岡副容疑者は容疑を認めているという。
金田中は、大正時代に創業したお茶屋を岡副容疑者の祖父が譲り受け、1945年に開店した。岡副容疑者は慶大法学部卒業後、渡米。帰国後、金田中に入社し2014年、社長に就任した。趣味は華道と妻に誘われて始めたという社交ダンス。女将を務める妻も慶大法学部卒で、メディアにたびたび登場している。
岡副容疑者は金田中に入社後、当時の料理長の下で3年間修業し、7年の厨房経験があるそうだが、知識や経験が豊富というわけではなかったようだ。
金田中で修業し、独立した料理人が「社長の話はあまりしたくはないのですが……」としたうえで、「機嫌が悪い時はしょっちゅう従業員を怒鳴りつけていました」と振り返る。
別の元従業員は「週刊新潮」(23年4月13日号)でこう証言していた。
<社長は、重要行事である毎月の試食会にしばしば遅刻してきます。
岡副容疑者は銀座・新橋の芸者が1年に1度、一堂に集まり、踊りを披露する「東をどり」を主催する東京新橋組合の頭取でもある。今年4月、自身が常務を務める「新橋演舞場」が創設100年を迎え、来月21日から27日まで「第100回 東をどり」が開催される。
岡副容疑者は逮捕翌日に掲載された日経新聞のインタビューで<節目の今年は東京五花街、京都五花街、金沢三茶街など、全国19花街にも日替わりで出演してもらう。各地の花街が共に栄えるよう願いを込めた。日本文化を味わい、日本っていいよね、と笑顔で帰ってもらう。それが今の目標だ>と語っていた。
主催者自ら芸者たちの晴れ舞台に水を差した。