大規模風俗スカウトグループ「アクセス」はスカウトバックの入出金履歴をたどられないようにするため、現金をレターパックに入れて実体のない「バーチャルオフィス」に発送させていた。


■8回目の逮捕


 スカウトバックや顧問料など報酬約149万円の現金が入っていることを隠し、埼玉県川口市のソープランドの従業員らに指定した住所へレターパックを送らせたとして、警視庁保安課はアクセスのリーダー、遠藤和真被告(33)を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)の疑いで逮捕した。

遠藤被告の逮捕はこれで8回目。現金書留以外で現金を送ることは郵便法で禁止されている。


 アクセスは全国の性風俗店約1800店舗と契約して女性をあっせんし、5年間で70億円を売り上げていた。


 遠藤被告は昨年、風俗店側に<近年、警察関係が厳しくなっておりまして、履歴のたどりやすい振込入金は避けたいと考えており、もし可能であれば郵便に変更することはできますか>と通達。品名については「書類」「書籍」「雑誌」「キーホルダー」「カタログ」「金メダル」などと明記させ、小銭は音が鳴らないようにフリーペーパーの間に挟んで発送するよう指示していた。発送先は都内にあるバーチャルオフィスの私書箱宛てになっていて、グループのメンバーが私書箱のある郵便局に出向き、現金が入ったレターパックを受け取っていた。


「メンバーは約300人で、店舗開拓やスカウト、運営部門に分類され、1800店舗の求人情報をグループ内で共有。外部に情報が漏れないよう毎月、閲覧に必要なIDとパスワードを更新していた。あっせんした女性の個人情報はすべてクラウド上で管理し、スカウトには摘発を免れるための営業マニュアルや税金対策も指南していた」(捜査事情通)


「現金取引」ならアシもつきにくい。よくもまぁ、あの手この手を思いついたものだ。


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