「令和のコメ泥棒」は1袋あたり最大で30キロの玄米が入る袋を132袋(255万8556円相当)も盗んでいた。
農産物を販売・加工する一般社団法人の奈良市の倉庫から玄米を盗んだとして、無職の米山裕貴容疑者(30)が1日、建造物侵入と窃盗の疑いで奈良県警奈良署に逮捕された。
米山容疑者は所属する会社から、倉庫を所有する社団法人に派遣。倉庫の鍵は、社団法人が管理していた。昨年9月から今年2月にかけ、業務時間外にその鍵を使って倉庫に複数回侵入し、代表の目を盗んで玄米が入った袋を大量に持ち出していた。
「社団法人の代表が昨年9月、倉庫で管理する玄米の在庫を確認していたが、その後、チェックをしていなかった。今年2月、再び在庫を確認したら、昨年9月の確認時より、明らかに玄米の入った袋が減っていることに気付いた。その間、倉庫は施錠していたため、鍵のある場所を知り、倉庫を開けられるのは米山しかいないと思い、本人を問い詰めたところ、犯行を認めたため、警察に通報した」(捜査事情通)
調べに対し、「生活費に困っていた。転売をして生活費の足しにするためだった」と供述しているという。
奈良県や京都府では昨年8月末ごろから、新米を狙った盗難被害が相次いでいた。
「1回あたり、どれくらいの量をどのような方法で運んだのか。ネットで販売したのか、それとも直取引だったのか、販売ルートに関してもこれからの調べです。何回盗んでもバレなかったことから、犯行を重ねていたようです。盗んだ132袋分は、すべて売りさばいていた」(前出の捜査事情通)
全国のスーパーで販売された4月中旬のコメの平均価格は5キロあたり4220円となり、前年の2倍を超える高値が続いている。
コメの価格が高騰する中、このままでは全国各地で「コメ泥棒」が続出するかもしれない。