「500万円を返済しろ」「弁護士も『支払う必要があって支払えないのであれば、請求の訴えを起こす』と言っている」
現役の国立大准教授は、違法性風俗店の経営に携わっていただけでなく、知人女性を恐喝し、カネまでふんだくっていた──。
40代の女性から現金100万円を脅し取ったとして、富山大総合情報基盤センターの滝谷弘容疑者(49)が2日、詐欺と恐喝の疑いで県警生活安全企画課に再逮捕された。
滝谷容疑者は2022年6月から23年1月にかけ、知人女性に「債務がある」と嘘をつき、複数回にわたって現金100万円を脅し取った。
県警は先月、性風俗店の営業禁止地域内でメンズエステ店「KOMOREBI」を営み、性的なサービスを提供したとして店の経営者とともに滝谷容疑者を風営法違反の疑いで逮捕していた。捜査の過程で今回の恐喝事件への関与が明らかになった。
「KOMOREBI」は22年春から富山市内の4階建てのアパートで営業を開始。その後、売り上げを伸ばすため、知人の紹介で滝谷容疑者が経営に参画するようになった。
「滝谷は富山大学でデータサイエンスを研究し、情報システム管理を任されていた。その知識を生かして店のホームページの作成や宣伝、セラピストのスカウト、性的サービスの指導を行っていた。滝谷が経営に関わるようになってから客足が伸び、18室あるアパートの部屋のうち10室を借り上げていた。営業時間は朝9時から翌日深夜2時までで、10代から40代まで50人近くの日本人セラピストが在籍。売り上げは毎月1000万円、オープンから3年で総額数億円に上るとみられています。滝谷は周囲に『自分がいなかったら、経営が成り立たない』と成果を強調していました」(捜査事情通)
メンエス店の経営に携わった動機について、滝谷容疑者は「金に困っていた。生活費や遊ぶ金が欲しかった」と供述しているという。
「起訴猶予になったものの、9年前には富山市内のスーパーで60代男性の財布を盗み、クレジットカードでガソリンを給油し、逮捕されている。同じ頃、滝谷は大学の許可を得ずに人材派遣会社の取締役を務め、自身が担当する情報処理の講義の試験で不合格になった学生に『この試験結果では単位はあげられない』といって人材派遣会社への登録を指示。学生に名前や学部名、連絡先などの個人情報を入力させていました。17年に無断で兼業したとして、大学から減給10分の1の懲戒処分を受けています」(地元関係者)
そして今回、詐欺と恐喝未遂で再逮捕となった。
富山大広報・基金室は滝谷容疑者の過去の懲戒処分について、<回答を控えさせていただいています>と答え、その理由について<個人情報保護、プライバシー権の侵害に抵触しますので本人の処分歴はお話しできない>としている。
違法性風俗店の経営に携わり、知人女性を恐喝するなど、国立大准教授による前代未聞のハレンチ事件。
大学の隠蔽体質と大甘処分も、滝谷が「再犯」を繰り返した一因ではないか。